前回、入管が転職などによる雇用関係変更の届出を受付けたからといって、転職後のビザ更新が必ず許可されるわけではないことをお話ししました。

そこでお勧めするのが、「就労資格証明書」の交付申請です。

たとえば人文知識国際業務で就労している人が、同じ職種の職場へ転職した場合には、現在与えられている在留資格で就労し在留することができます。

しかし、転職先の職場・職種が人文知識国際業務に該当しているかどうかは次回の在留期間更新時に入管の判断に委ねられるため、更新が必ず認められるとは限りません。

もし更新が認められず、しかも在留期限が迫っていて新たな転職先を探す時間的余裕もないとなれば、帰国準備を余儀なくしなければならないこともあり得ます。

このような最悪の事態に備え、新しい職場・職種が現在持っているビザの在留資格に該当するかどうかを、ビザの在留期間満了あるいは更新前に入国管理局に判断してもらうという方法があります。これを「就労資格証明書」の交付申請といいます。

この「就労資格証明書」が交付されれば、就労資格については入管が証明済みということで、次回の更新時にはおそらく問題なく更新できるはずです。

また万一「就労資格証明書」が交付してもらえない場合は、その段階で就職先が不適切ということが判明しますので、まだビザの期限が残っている間に、別の就職先を探しなおすという対策を講じることが可能となります。

ただし在留期間満了までの期間が短い場合は、「就労資格証明書」の交付申請をするより、ビザの在留期間更新の申請を直接行い判断してもらうほうがよいでしょう。

なぜなら「就労資格証明書」はすぐに交付されるとは限らず1ヶ月以上かかることもあるため、大急ぎでビザの更新準備もしなければならない状況が起こり得るからです。

なお会社を転職した場合、会社側に外国人の受入れに関する届出義務があるかどうかですが、入管法では努力義務として届出するよう推奨しています。もし届出をしなかった場合でも、特に罰則等は設けられていません。