銀座をはじめ、日本中に訪日外国人旅行者が急増しています。
2014年にはその数が過去最高の1,341万人に達し、旅行者の消費額も初めて2兆円を突破しました。
また海外から日本への直接投資額も、昨年は対前年比で約3倍に大幅増加し、日本経済の再活性化に大きく貢献しています。
今回は、日本にとって重要な「インバウンド=外から中に入ってくる」の増加に向けて、政府がどのような施策を打ち出し、私たちの新たなビジネスにどう活かすかを一緒に考えてみましょう。
~Welcome to Japan!―目指せ、年間2千万人~
日本政府の成長戦略の重要テーマのひとつとして、東京オリンピックが開催される2020年に向け訪日外国人旅行者数年間2,000万人の誘致を目指していることはすでにご存知ですね。
そのため2014年は、ミャンマー、インド、インドネシア、フィリピン、ベトナムのビザ要件を免除・緩和し、今年1月には中国のビザ要件も緩和されました。
これらの施策は、旅行者増加の大きな呼び水となっています。
少子高齢化や不景気による国内の消費減に対して、非常に活発なこの訪日外国人旅行者の「インバウンド消費」の拡大は日本にとっての重要な経済資源であることは間違いありませんね。
さて、お迎えする日本側の企業はどうでしょうか?
このインバウンド消費の波を上手く捕まえて事業拡大にまい進している会社がある一方、「どうしたらいいのか判らない」と、外国人誘致の方策に手を付けられないでいる会社も多いようです。
知り合いのコンサルタントが言っていましたが、外国人旅行者にとって、やはり日本語という言葉の壁や制度・慣行の違いがハードルになっているようです。
だからこそ、そのハードルを取り除いてあげれば、取り立てて商品を変えたり、外国人向けの特別なサービスを提供しなくても、外国人は喜んで来てくれるようです。
むしろ日本独自の商品やサービスを求めて来るので、これらを変えるのは逆効果です。
ハードルを取り除くと言ってもそれほど難しいことをする必要はありません。 例えばお店だったら外国語のメニューを用意したり、マナーについて説明するチラシを置いておく程度でいいらしいですよ。
その程度のことでも、外国人からみると自分たちを歓迎してくれるお店だと感じるようですね。 さらに、母国語を話せる通訳がいてくれたら、もっといいですよね。
これは日本に留学している学生さんのアルバイトにもってこいの仕事だと思います。
こんなところから事業の種が育っていって、多言語での商品情報やメニューを提供するための支援ビジネス、モールなどへの多言語対応スタッフの派遣サービス、多言語対応への重要性やメリットを周知するセミナービジネスなども考えられますね。
外国人旅行者の宿泊先となる旅館などは、生き残りをかけ、海外からでも宿泊候補検索や予約ができるように、ホームページを多言語化したり、宿泊客が無料Wi-Fiを簡単に利用できる無線LANの整備も必須となっています。 (この無線LAN整備のための補助金が今年度も公募されるかも知れませんので要チェックです)
また、旅先で病気になった時でも安心な、医療通訳や外国語が話せる療コーディネーターの育成・派遣サービス、あるいは温泉などを生かした医療ツーリズムへの対応なども新たなビジネス分野として、今後さらに注目が高まることは間違いありません。
さて、個人の訪日旅行客が増える一方で、日本に進出する企業の動きはどうでしょうか? この話題は、また次回にお伝えすることにしますね。