前回は、優秀な外国人の受入れ促進策である「高度人材」の認定申請方法についてご紹介しました。では、「高度人材と認定されれば、どういうメリットがあるのか?」ということについて、今回から2回に分けてご説明しましょう。

「高度人材」と認定された外国人が受けることができる出入国管理上の優遇措置は以下の通りです。

① 複合的な在留活動の許容
② 最長の在留期間「5年」の付与
③ 在留歴に係る永住許可要件の緩和
④ 入国・在留手続の優先処理
⑤ 配偶者の就労の許容
⑥ 親の帯同の許容
⑦ 高度人材に雇用される家事使用人の帯同の許容

今回はその1として、①~③に関して具体的に説明しましょう。

① 複合的な在留活動の許容:
例えば、在留資格「技術」で在留する外国人は、そのままでは在留資格「人文知識・国際業務」に該当する活動をすることはできません。

また、在留資格「研究」で在留している外国人が、研究成果を生かして ベンチャー企業を経営するためには、別途資格外活動許可を受けなければなりません。

これに対して、高度人材に認定されていれば、資格外活動許可や在留資格変更許可を受けなくても、複数の在留資格に該当する複合的な活動を行うことができます。

② 最長の在留期間「5年」の付与:
通常、在留期間は在留資格毎に複数の種類が設けられており、外国人の在留状況や活動内容等に応じて、1年、3年、5年のいずれかが決定されます。「高度人材」については、法律上の最長の在留期間である「5年」が一律に付与されます。

③ 在留歴に係る永住許可要件の緩和:
永住許可を受けるためには、原則日本において10年以上の在留歴が必要ですが、「高度人材」については「高度人材」としての活動を、引き続き概ね5年間行っている場合は許可の対象となり得ます。

それでは次回、④~⑦に関して詳しくお話しましょう。