日本への投資拡大、訪日外国人の増加を目指して、政府は様々な規制緩和や在留要件緩和策を打ち出しています。

今号では、4月1日に施行される改正入管法の内容を中心に、日本で起業や就労する外国人の方々を対象とするニュースをご紹介します。

◆外国人だけでも日本で会社がつくれる!

3月16日、外国人が日本国内で会社を設立する場合の「会社の代表者のうち少なくとも1人が日本に居住していること」という規制が撤廃されました。

これで日本に住所のない外国人だけでも会社がつくれるようになります。

また、4月1日より外国人経営者のためのビザの要件も緩和されます。該当するビザの名称は、「投資・経営」から「経営・管理」へ変更され、これまで外資系企業に限られていた対象に日系企業も含まれることになりました。

また、会社設立前であっても定款など起業が目的である事を証明する書類があれば、4か月限定で「経営・管理」の在留資格が認められようになり、この期間に法人登記が完了すれば、長期間の滞在に切り替えられるようになります。(本年4月1日施行)

これまでは外国人を代表とする法人を設立するには、その外国人は日本に住所がなければならず、住民票を取得する中長期滞在のビザが必要(3か月の観光ビザでは不可)でした。

結局日本人パートナーなどを探し、まず会社設立をしてもらうなどの工夫が必要でしたが、これがいらなくなります。

これらの規制緩和で、外国人による起業が大いに後押しされ、日本での外国人起業家がさらに増えることを願います。

起業・開業を考える外国人の方々の支援サービスは、ぜひ当事務所にお任せください。

◆【在留資格「技術・人文知識・国際業務」と「高度専門職」も4月施行】

 本レポートでも既報のとおり本年4月1日から、新たに「技術・人文知識・国際業務」と「高度専門職」という名称の在留資格が創設されます。

「技術・人文知識・国際業務」は、従来、理科系分野の知識を必要とする業務を対象とする「技術」ビザと文化系分野の知識を必要とする業務を対象とする「人文知識・国際業務」ビザが統合されたものです。

年文系か理系かはっきり分けられない仕事(例えば翻訳ソフトの開発のような)も増加していることから、包括的な「技術・人文知識・国際業務ビザ」の創設によって、ビザ申請作業の煩雑さが緩和されます。

専門的・技術的分野における外国人の受け入れに関する企業等のニーズにも柔軟に対応できるようになります。

ただしビザが一本化されるとはいえ、在留資格の該当性そのものが緩和される訳ではなく、依然として単純労働や接客などの業務内容は認められませんのでご注意ください。

また、「高度専門職」は、従来「特定活動(高度人材)」と呼ばれていたビザを変更したものです。高度専門職には、1号と2号があり、高度専門職1号として3年間在留すると高度専門職2号への変更が可能となります。

今度専門職2号は、その活動に制限がなく、また在留期限も無期限となることから、実質的には「永住者」ビザと同程度の活動が認められることになります。

これまで「永住者」ビザを申請するためには、普通で10年、「高度人材」でも5年以上の在留が条件となっていました。

日本に永く住んで安定した身分で仕事をしたい外国人にとっては朗報と言えますね。

日本企業でも、有能な外国人を単なる従業員としてではなく、経営者として迎え入れるというような流れが強まるかも知れません。

それでは、今日はこの辺で。